宇都宮市創造都市研究センターは、9月20日(金)14時30分~16時00分に、文星芸術大学 第1会議室において、本研究センターの取り組みの一環である、第12回FD・SD研修会を開催しました。
本研修会は、研究センターを構成する大学の教員・職員を対象に、文星芸術大学副学長の丸山純一先生を講師にお招きし、「これからの時代における学生支援のあり方について」と題して講演を行いました。なお、丸山先生は、上記のテーマを日頃より先導して教育研究にあたっておられ、今回は、大学教職員の皆様とともにこの学生支援、学生相談について考えていくことも研修の目的としております。
研修会は、本センター事務局長の長島重夫(文星芸術大学)の司会により開始されました。まず、はじめに、会場校、文星芸術大学より、創造都市研究センター運営協議会副会長の田中久美子学長が開会の辞を述べ、次いで、司会進行を務める長島重夫から、本日の研修会の講師である、丸山純一先生の紹介がありました。
ご講演は、まず、ご本人の自己紹介から始まり、次いで、教育の歴史的推移についてのお話を頂きました。教育は、1970年代に始まるキャッチアップ教育から現在の社会性・個性重視の教育に変化している、とのお話がありました。そして、現代は、VUCAの時代である、との説明を頂きました。このVUCAとは、Volatility〈変動性〉、Uncertainty(不確実性)、Complexity〈複雑性〉、Ambiguity(曖昧性)、とのことであります。
次に、教育の定義、教育方法の時代推移についてのお話があり、続いて、現代の日本人の人権状況についての紹介がありました。ジェンダーギャップ、児童虐待、難民受け入れやブラック企業など、様々な課題を挙げ、日本は欧米に比べて、人権があまり重視されていないことを指摘されました。さらに、過去の時代の大量生産と大量消費、そしてその均一性などから、現在は多様性を重視する方向になっていることを説明されました。その意味として、異質性が、変化(イノベーション)を生み、これが社会環境の促進に連なるのでは、との説明を頂きました。最後に、学生相談の歴史的推移についての紹介がありました。80年代の校内暴力やいじめ、90年代のアダルトチルドレンやPTSD、2000年代の引きこもり、発達障害や児童虐待、など多くの課題が時代と共に浮かび上がってきたことが紹介されました。そして、この問題を解決するためには、学生に向けて、キャリアデザイン、傾聴などの講義や学生支援の必要性をご指摘されて、ご講演を終えました。今回の研修会も、学生の様々な相談内容、支援方法を知ることができるなど大変有意義な機会となりました。
今回も、この研修会は、創造センターを構成する大学において、これからの教育研究の積極的な推進と効用を追求するうえで、また、大学間連携による相乗効果が期待できる取り組みとして、「創造都市 宇都宮」の形成を考えるうえでも大変参考となる研修会となりました。
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